皆さんは、神さまを英語でいうとGOD」だということはすでにご存知でしょう。

しかし、このGODという呼び名が、もともと 宇宙創世の時からついていたのか?

もしくは、 この宇宙の秩序を現象として見たて、誰かがそれを 「GOD」と総合的に名付けたのかは、誰も知るよしもありません。

 




こんにちは! ぼくはガネーシャ神のガネ夫です。


今からぼくが日本の皆さんに、神さま誕生の由来と、ぼくが誕生したいわれを語ります。
どうぞ聞いてください!



 



光も闇もなく。
時間も空間もない。
有限の始まりと言われる、ただ「無限」のその中に・・・

突如として現れたその神様の名は、ブラフマー

 


すなわち「創造の神」と呼ばれるその神さまを、英語ではGenerator(発生させる人)と呼びます。

この宇宙をGenerate(生み出す)する役割を担う、スーパーヒーローとも呼ばれています。

ブラフマーは、宇宙をお創りになったあと、自分が創った宇宙というゆりかごの中で、ただ、幸せに眠っている神様なのです。

ブラフマーがお創りになったこの地球を含む、この大きな宇宙を、維持し続ける神様として出現したのが、ヴィシュヌという神さまです。

この宇宙を秩序をもってOperate(維持する)する神様です。

最初に地球上に現れた時の姿、皆さんは想像できますか?

実はなんと!
 


・・・マツヤと呼ばれるお魚だったのです。


マツヤとは、生命誕生が海から発生した事を意味します。



 


その後、破壊と再生を繰り返しながら 時代は流れていきます。

時代、時代に応じて、全宇宙の秩序を 維持するヴィシュヌは、姿形を変えて現れました。

私たちが生きているこの時代は、 その生まれ変わりである8代目ブッダがこの宇宙の秩序を統括、維持していると言われています。

その前の時代が、クリシュナ
 



その前の時代がラーマ



どちらも、時代が変わって、 ヴィシュヌ が変身した姿であり、 今でも2大ヒーローとして有名な神さまなのです。

私たちが生きているこの時代も、 やがて終焉を迎えます。

その時、 世界の「破壊」から始まり、 そして「再生」が行われます。

最終的に、完全、完璧な秩序の取れた 次の時代が新たに始まるのです。

次の時代を維持するために現れる 神さまの名を、カルキと言います。
 





 


そうです!

この宇宙が完全な姿になるためには、 こうして長い長〜い年月がかかり、 幾度に渡る「破壊」と「再生」 によって、進化を遂げていくのです。


この「破壊」、すなわち Destroy(破壊する)の役割を担う、最も力を持った神さまこそが、 悪と無秩序を退治する 最強の神、シヴァ

 



この世は創造、維持、破壊の繰り返し。

ブラフマー 創造の神(世界の創造/Generator)
ヴィシュヌ 維持の神 (世界の維持/Operator)
シヴァ 破壊の神 (世界の破壊/Destroyer)

この三大神の頭文字を合わせて、
GOD=神と呼ぶのです。


 




 



さて、この世の悪を 退治するために日夜、 奮闘するシヴァ

シヴァには、とても 頼りになる伴侶がいます。
その名も、超絶美人のパールバティという女神さまです。
 



パールバティは、 ある特殊な「」を 持っています。

敵である悪を退治する力に合わせ、変身することができるのです。

とても優しく、 美しいパールバティから、ドゥルガー(寄せつけぬ者)へ。
 



さらにドゥルガーから、世にも恐ろしいカーリー(悪の女神)へ!
 




ひとたびカーリーになったものなら、世界最強の破壊神、シヴァさえも、 太刀打ちできません。

カーリーは、世界の完全破滅をもたらすほどの勢いを持った、世界最恐の女神さまなのですが・・・。



 


このシヴァと、パールバティの間には、子供がいませんでした。

寂しい思いをして過ごしていたパールバティは、ある日大きな川で、砂を固めて、自分の理想とする可愛らしい子どもの姿を作りました。

その砂でできた人形を手に乗せて、優しくふぅっと息を吹きかけると、 その砂の人形に命が宿り、たちまち端正な顔つきで美しい人間の姿へと変わりました。

この子どもこそ、ガネーシャです。
 



「まあ!ついに私の子どもが誕生したわ!」

大喜びしたパールバティは、ガネーシャを連れて、一緒に家に帰りました。
 



 


家に着いたパールバティは、まずは 体を清めるためお風呂に入ろうと思い、 ガネーシャに言いました。

「今から、お母さんはお風呂に入るから そこで待っていてね。
私が出てくるまで、 決して誰もお風呂の中へ入れてはいけませんよ。

ガネーシャは、うんと頷き、お風呂場の見張り番をしていました。

しばらくすると、夫のシヴァが帰って きました。

シヴァは、妻のパールバティの名を呼びながら、
「一体妻はどこへ行ったのか?」と探し回ります。

そしてシヴァは、お風呂場を探そうと、中に入ろうとしました。

これはいけない!

ガネーシャは急いで、シヴァの前で通せんぼうしました。

 



「おい、誰だね君は?」

「おまえこそ誰なんだよっ!」

「ここは、私シヴァの家だぞ。そこをどけ!」

「だめだ!ぼくは絶対ここをどかないぞ!」


シヴァガネーシャの押し問答が始まります。

もちろんシヴァは、ガネーシャパールバティの子どもであるとは知るよしもありません。

 ただ、名も知らぬ小僧が勝手に家に上がり込んできたと思っていたのです。

「どけ!」

「どかない!」

「ええいどかんか!」

「どかない!」


このままでは埒があきません。



 



シャキーン!!

シヴァは、ついに怒りが頂点に達し、 持っていた剣を抜いて、ガネーシャの首をはね落としました。

その騒ぎに慌てて風呂場から飛び出したパールバティは、びっくり仰天!

最愛の我が子が死んでいるではありませんか!


「 あなた! せっかく私が作った大切な坊やに、何てことしてくれたのよ!」





メラメラメラメラ・・・

パールバティの髪がみるみるうちに逆立ち、 肌の色が青く、そしてだんだんと黒くなっていきます。

殺戮と恐怖の女神、カーリーに変身されてしまっては、もう大変。

宇宙最強のシヴァといえども、手が負えません。

シヴァは、無我夢中で平謝り。
しかし、パールバティの怒りはおさまりません。

「悪いが、もう遅いよ。頭はもう 完全に死んでしまったし、もう生き返らせることは無理だ・・・。」

 シヴァの言うことを、パールバティが 聞くはずなどありません。

「いいから生き返らせてよ!私の坊やを!」

シヴァはこれ以上何も言えなくなり、 困り果てました。



 




するとパールバティはこう言いました。

「すぐ外へ出て行って。誰でもいいから 最初に目に入った者の頭を切り落として、 この子の頭と取り替えてきなさい。
そしたらこの子は生き返るんだから!」



そう言ってシヴァのお尻を蹴り飛ばし、シヴァを外へ追い出しました。

 慌てて剣を片手に外へ出たシヴァの目の前に、最初に飛び込んできたのは、一頭の象。

シヴァは、その象の頭を切り落として家に戻りました。

そしてガネーシャの頭に象を乗せたところ、たちまち子どもの命は吹き返されました。
 



「まあ! 可愛い坊や。よかったわね!」

パールバティは大喜びして、鏡を取り出し、 抱っこしてガネーシャに鏡を見せました。

ところが・・・


 




「いやだーーー!!」

ガネーシャは、鏡で自分の顔を見た途端にわんわん大泣きしました。



「なんでぼくは象になっちゃったんだ! いやだいやだ、ぼくは人間に戻りたいよ! ねえ、ぼくを人間に戻してよ!」

シヴァはガネーシャを優しくなだめて、 こう言いました。

「ごめんな、許しておくれ。もう誰の頭にもすげ替えたりはしないから。お父さんが悪かった。

ガネーシャよ、もしそこまで人間が好きなら、 私がお前のことを、誰よりも頼りになる神さまにしてあげよう。

人間に降りかかる、あらゆる災難や 不幸を取り除くことのできる神さまに。

人間が勉学に励むことができるよう、人間に知性を与えることのできる神さまに。

旅先でも悪者や困難を遠ざけ、 あらゆる障害を回避できる神さまに。
お前に力を与えよう。」

「うーん、でも・・・でも、やだよ!それだけじゃいやだよー!」

それでも、ガネーシャは人間に戻りたいと駄々をこね、 なかなか泣きやみません。




 




シヴァは言いました。

「ガネーシャよ、もう一度言うからよく聞きなさい。

私がお前のことを、お前が大好きな人間に最も愛されて、願いを叶えてあげることのできる、神さまに、今からしてあげよう。

人間が、いろんな神さまのところへお願いをしに行く時には、必ず一緒にお前のところに来させてあげよう。
人間にとって、一番頼りになり、そして最も「勇気」と「自信」を与えることのできる神さまは、お前だけだ!
・・・行くぞ、それ!

 




「ぼくが、人間に勇気や自信を与える神さまになるのか・・!」


するとガネーシャは大喜び!

こうしてガネーシャは、父のシヴァと、母のパールバティと、楽しく暮らすことになりました。


 




こうしてガネーシャは、 人間の夢や願いを叶える神さまとして、今でも世界中で活躍しています。

父であるシヴァと、 母であるパールバティは、 ガネーシャの活躍を阻止しようとする悪魔から守るため、とても強力な 「ガネーシャ軍団」を作り、 ガネーシャの背後にいつも大勢の神さまを勢ぞろいさせています。

ガネーシャは、しばしば日本にも訪れており、 日本では、「大聖歓喜天」 と呼ばれています。